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桂離宮

桂離宮 3回参観した感想
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書院群(2013.10)

江戸幕府初期、豊臣時代とは違い、幕府の朝廷への権威抑制、干渉してくるという時代背景の中、1615年頃より八条宮智仁親王が別荘として桂離宮の造営をはじめた。
途中、荒廃した時期もあったが、二代目智忠親王(結婚で財政面に都合がつくようになる)が引き継いで新増築され1662頃までにほぼ今のように整えられた。
桂離宮を世界に知らしめた一人といわれる、建築家ブルーノタウトが桂離宮を「涙がでるほど美しい」と表現したのは有名だ。
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穂垣(2013.10)

<参観等について>
今までに桂離宮を参観したのは3回です。
2000年12月参観前まで、桂離宮のことは名前を知っている程度の知識でした。
次から次へとガイドから紹介される様々な美は衝撃でした。
旅行後、夫の持っている桂離宮の書籍らをパラパラと見ては、こんなにも美しいものがたくさんあり、見落としている箇所が山のようにあったのかと、行く前に少しでも勉強して行けばよかったと後悔して、もう一度行きたくなりました。
その後、京都の隣兵庫県に住んでいた際に2回参観できました。
1回目はハガキで参観日を申し込みましたが、2、3回目は京都御所内宮内庁京都事務所参観窓口で空いている日にちと時間帯を聞き直接申し込みました。
窓口では桂離宮参観2回と修学院離宮1回、計3回申し込みのため訪れましたが、毎回たくさんの外国の方々が窓口で申し込みに訪れていて人気が高いのだと感じます。
(この京都御所内の窓口で「京都御所、仙洞御所、桂離宮、修学院離宮」参観申し込みができます。ちなみに参観は驚きの無料!年齢制限あり:18才以上)
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蘇鉄(2013.10)
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蘇鉄の冬景色…オブジェのようですね(2013.12)

各回ごとのグループ(30人くらいかな、ちょっと正確ではありませんが)となり、皇宮職員のガイド一人と最後尾に皇宮警察の方一人が一緒に行動します。
3回参観で1回目のガイドの方は静かに説明していた記憶(なんといっても14年前!)があり、3回目は要点をしぼった簡素な感じを受けました。
どのガイドの方もわかりやすく物腰も丁寧な印象でした。
2回目のガイドの方は早口、快活、面白く明瞭な説明で個人的にはこの2回目の方がよかったです。
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松琴亭(2013.10)
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松琴亭 青と白の大胆な市松模様の襖(2013.10)

1回目はすべてにおいて写真撮影禁止の時期でした。
それは苔の養生のためという理由だったと思います。
道は飛び石が多く、狭い幅のため、一人ずつ(縦列)つながって歩いて行くところがほとんどです。
飛び石の間にも苔があり、石の上を歩いて道以外のところに足を踏み入れないようにという注意は最初にガイドからされるのですが、
写真撮影に夢中になってしまうとつい忘れてしまう方が多いらしく(マナーの悪い方も多いそうです)苔などがはがれたり、枯れたりすることや、土が削れたりなど多いそうです。
どの回にも撮影に夢中になった方々がいて、ガイドから注意(優しく)されているのを見かけました(自分も気をつけなきゃと緊張です)。
今までも、何度か撮影禁止時期があったり、決まった場所だけ撮影許可があったりする時期などもあったそうです。
去年の2回はフリーでした。
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書院群(2013.10)
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書院群(2013.12)

縦列で歩き、要所要所でガイドが説明する場所まで基本全員がたどりつくと説明開始してくれますが、縦列で歩いていて1人が撮影で止まってしまうと、一人分しか道幅がないし飛び石しか足をおいてはいけないので、ぬかすこともできないため、渋滞となり他の方々に迷惑をかけます。
人数が多いときは大方が到着した時点から説明されるので(時間の関係)後方の方は聞けない場合もあったりします。
先頭はガイドさんで最後尾には皇宮警察の方1人が歩きます。そのため、戻って写真を撮り直したりすることはできません。
その回のメンバーによって参観雰囲気が変わるなと感じました。

1時間強の参観時間とのことです(おおよそということで臨機応変みたいです)。
2回目のガイドさんは前述の通りサービス精神旺盛の方で、途中で「時間に限りのある方があれば教えてください。多少時間がオーバーしても大丈夫ですか?」と皆に声をかけ、大丈夫(大歓迎!)との皆の声で1時間30分ほどの参観時間でした。
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月見台 月を見るための、縁側から池に向かって出ている簡素な竹で作られたスペース(2013.12)
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月波楼 月を見るのによい位置の茶亭 幅狭で薄い縁側が優しい (2013.12)


<桂離宮の魅力>
「お金を湯水のように使っているなと誰もがわかる豪華絢爛さとはまるで違い、正反対で、
いっけん簡素、質素にみえるかもしれない、でも少しすると途方もないことがわかってくる。
茶屋(茶室)建物が、各趣向をかえて4つ散りばめられ、その趣向にあわせて周囲を作庭し、
桂川からひいてきた水で池をつくり、舟遊びをするため舟着き場を各建物の近くにつくり、
山にみたてた丘からは全体を見渡せ、
書院群には観月(桂の地は昔から月の名所)をするための月見台をつくり…
桂離宮は莫大なお金とセンスある人たち、職人たちがつくった究極の大人の遊び場で、きれいに作られたただの回遊式庭園の域を越え、離宮テーマパークのようだ。」
短く感想をいうとこんな感じになるかな。
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先ほど簡素で質素にいっけん見えると書いたが、よく見るとすべてにおいて最高品質のものを集め完璧に揃えられている。
目につきにくいところ、目立たない細部にも、趣がこらされ、こだわりの美を知る。
緻密さや計算しつくされた部分をわからないようにする、ひけらかさないようにする、あからさまにしない、
「こんなことはなんてことない、ささいなこと」とでもいうようなところに粋のセンスがある。
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例えば、小さい石ころひとつにおいても、形やサイズ、色、産地にこだわり、またその建物との合わせ方、光り方など言いだしたらきりがないくらいセンスあるこだわり。
ふすまの把手、釘隠し金具、障子紙質、デザインにおいても、いつの時代がこようとも通じる美しさや楽しさがある。
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視線を遮ることでできる空間の面白さ、その方法がしゃれていて、遮ったことでできる次の風景への期待、茶室に座ったとき位置によって見える風景がちがうようにつくられた楽しみ方。
整然さや格式も必要な箇所では整えられ、またある箇所では、わざと少し壊しアンバランスにすることで魅力を深める。
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四季を楽しめるように作られた庭園と建造物との関係が融合、調和された美しさは、感動する。
空間力、発想力、想像力、デザイン力、きれいにつくるだけじゃない遊び心のセンスの良さは貴族(朝廷)としての昔から培われてきた優雅な伝統、文化力を感じるし、実際それを作り上げた各職人の実力には脱帽する。
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まさに隅から隅までこれでもかというまで考え尽くされ計算された桂離宮は、かゆいところにも手が届き過ぎというような、やり過ぎ、盛り過ぎじゃないかと感じたりする方は、あまり好みではないと思うのかも。
年月を重ね二代にわたり作り上げていて、その間に後水尾上皇の行幸などをはさんだことで更に完璧度が高まっていったのかな。
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いろんな魅力満載の桂離宮において、自分が感じた魅力のひとつは石だ。
小さい石から大きい石、丸いものや直線に切られた切り石、散りばめたり、ひとつずつだったり、質感、色合いなど、さまざまなにデザインされたものをみるのが面白い。州浜、橋、飛び石、石灯籠、手水鉢などいろんな形が楽しめる。
ガイドによると、「皆さん観光といえばやはり晴れの日がいいし、桂離宮参観日もできれば晴れてほしいと思われると思います。でも雨の日も美しいんですよ、桂離宮は。濡れた石はまた格別な美しさです。だから参観日が雨でも残念ではないのですよ(雪の日はこれまた最高です)。」
と話されていた。
石は濡れていた方が色味も増し、艶やかで、色っぽさが静かに滲み出て、渇いた石とはまるで違う魅力を醸し出す。
残念というか何というか参観三回とも晴れでしたが、その魅力は想像にかたくない。
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完成された1662年頃から現在まで、奇跡的か焼失などを免れてきているので、建造物はそのままの状態をみていることになります。
やはり年月には勝てない箇所も多々見受けられますが、補修され大事に扱われてきていることを感じます。
自然である植栽などについては大きく成長したり枯れたりなどを繰り返し、また周囲の環境も大きく変化していることで、きっと当時とはずいぶん変化しているのだろうと想像します。
でも時代時代の自然や環境により変化し続ける桂離宮を、作っている、守っている現在の庭師(なのかな)、補修を手がけている方々のセンスも素晴らしいと感じます。
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細かい部分も大きな部分も観るべき箇所が多く、宝探しのようで楽しいです。
ただそのため参観の1時間強は目が回るほど忙しく、またあっという間に終わってしまう感じです!
春夏秋冬はもちろん時間帯(回)でも、それぞれに違う風景を見せてくれるだろうと想像すると、また京都を訪れた際は行きたいと思ってしまいます。
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日本大好きで観光に来られる外国の方はきっと桂離宮を前もって勉強され観光に組み入れていると思いますが、それ以外で全く桂離宮を知らない外国の方、日本語がわからなくても(ガイドは全て日本語ですが)、おすすめです。
もちろん日本人で桂離宮を知らなくても(私がそうです)、京都の他の観光地とは全く違うテイストだと思うので、とてもおすすめです。







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by matu-cafe | 2014-07-26 10:33 | 2013 桂離宮 修学院離宮 | Comments(0)